リップスらの論文は、
Statistical Science という一流の雑誌の査読をパスして、同誌に掲載されました。
査読の問題、というのを考えてみましょう。
以下に述べるように、私は査読のレベルは低いものであった、と判断しているのですが、それらに進む前に、編集者をひとつだけ弁護しておきます。
それは、ドロズニンの『聖書の暗号』p.275では、明らかに故意に省略されているのですが、
この論文が掲載された号の編集ノートでは、
"challenging puzzle" としてこの論文を掲載する、ということがはっきり述べられていることです。
編集側が、リップスらの論文を正しいと認めて掲載したわけではありません。
なお、関連して、p.275には、ものすごい誤訳があります。（専門家たちは）「その結果を受け入れた」とは、ドロズニンが省略しなかった部分にも、書いてありません。
Statistical Science, 9 (3), 1994 "In This Issue" (p.306):
Our referees were baffled: their prior beliefs made them think the Book of Genesis could not possibly contain meaningful references to modern-day individuals, yet when the authors carried out additional analyses and checks the effect persisted. The paper is thus offered to Statistical Science readers as a challenging puzzle.